伝承あそび(昔から伝わるあそび)の1つでもある福笑い。お正月あそびの定番でもありますね。
“目隠しをして、顔のパーツを並べていく”というとても単純なあそびですが、”出来上がった変な顔”には誰もが思わず笑ってしまいます。
子どもは変なものが大好きです。福笑いの”おかしな顔”は子ども心をくすぐります。文字通り、”家族みんなで、友達みんなで”笑って、福を呼び込みたいですね。
福笑いのルールとして、”目を隠して”とあります。そして「これは目だよ」「次は鼻だよ」などと言いながらパーツを渡していきますね。
ということは、ある程度大きな年齢にならないとできないのでしょうか?
そんなことはありません。あくまでも基本ルールはそうかもしれませんが、ここでは発想を変えてしまいましょう。せっかくの福笑い。家族みんなで楽しんじゃいましょう。
小さい子はこうやってあそぼう
目隠しはしません。というより、できませんね。多分、無理にやろうとすると泣いてしまうでしょう。目を隠さなくても、十分楽しめます。
①福笑いの顔の土台を目の前に置く。
②顔パーツを近くに並べる。
③「目はどこかなー?」などと声をかけながら、目のパーツを渡す。
④目のパーツを置く。
⑤他のパーツも同じように繰り返して置いていく。
おしまい。
「え?これだけ??」と思うかもしれませんが、1、2歳児でしたら十分、楽しいあそびです。
1歳児だとこの方法でも、パーツがずれておもしろい顔になります。特に1歳半頃では全く違うところに置いてしまうことが多いでしょう。
最初はわからなくてもいいんです。決して「違うよ〜」などと言わないであげてください。やっている気分を味わうことも大切です。できていなくても、子どもは満足そうな顔を見せてくれると思います。
教えてあげるときは、「目はこっちね」などと優しく場所を指差すといいでしょう。
あそびを繰り返していくうちに、「目はここ」「鼻はこっち」など覚えていきます。
2歳頃になると、目や鼻などのある程度の場所は認識してくるでしょう。個人差もありますが上手に置くようになります。それでも大人と違い、微妙なズレがあるので、個性的な顔ができたりします。
保育士時代、1歳児クラスで実際にこのように遊んでいましたが、みんな楽しそうに顔パーツを並べていました。出来上がると「みて〜」と嬉しそうにしていましたよ。
2歳後半頃からは様子を見て、目隠しして挑戦できるかもしれません。が、目隠しは子どもにとってはとても不安なもの...
無理強いせず、子ども自身が”やってみたい”と思ったときにトライしてみましょう。嫌がるのを無理にやってしまうと、あそび自体を嫌いになってしまう可能性があります。ご注意下さい。(3歳過ぎても不安に思う子もいます)
子どもが興味を持つ福笑いを作ってみよう
小さい子どもが福笑いに興味を持つきっかけ作りとして手作りすることをオススメします。
やはり子どもが興味を持つきっかけとしては、子どもの好きなものを取り入れたいですよね。
手作りならどんな顔でも福笑いにできます。
大好きなキャラクターはもちろん、動物や自分の顔など自由自在です。また年齢によってアレンジもできます。
・1、2歳くらいの子があそぶなら顔パーツは少ない方がいいですね。目や鼻や口(動物ならひげなど)でしょうか。そしてパーツはあまり小さくない方がいいです。
・3歳頃は目隠しをして遊ぶのであれば、1、2歳と同じパーツでいいでしょう。
目隠しをしないのであれば、もう少しパーツを増やしてあげたり、細かくしてあげてもいいでしょう。
・4歳頃〜からも年齢や発達に応じてアレンジしてあげてください。小さい頃から福笑いであそぶ経験があれば、この頃からは目隠しをして遊べるようになっていると思います。
実践!!福笑いを作ろう
何を作るか決めましょう。何でも構いません。
動物で作りやすいのは「ネコ」「くま」「うさぎ」あたりでしょうか。今回はネコを作っていきますね。
ネコの作り方
①好きな色の画用紙に顔の形を描いてハサミで切る。
②厚紙などにのりなどで貼っておく。(厚紙等、貼っておいた方が強度が増します。)
土台を乾かしている間に...
③画用紙で顔のパーツを作っていく。
お好きな表情で作ってくださいね。大きさやバランス等、土台に乗せながら確認してみてください。
④土台部分の厚紙を顔の形に沿って切っていく。
⑤土台、顔パーツそれぞれの両面にカバーフィルムを貼る(しわくちゃになるのを防ぎます)
片付けには大小のジップロックを使ってください。顔パーツを小さいジップロックに入れた後、土台と一緒に大きいジップロックに入れるとわかりやすいです。その際、写真や絵などをつけておくと、子ども自身でお片付けができるようになりますよ。
5、6歳頃では子ども自身で福笑いを作れるようになります。子どもが作ると小さくなりすぎてしまうことがあるので、大きさ等はアドバイスしてあげてくださいね。
年長クラスの担任だった頃、子どもたちに作ってもらったことがあります。大人が作るよりも可愛くて、時に難しい(笑)子どもたちにも人気でした。
自分で作ることで愛着も湧きます。みんなに遊んでもらうことが自信にもつながりますね。
日本ならではの伝統あそびの福笑い。家族みんなで楽しんで笑顔いっぱいの時間を過ごしてみてくださいね。